和式トイレで鍛えられる筋肉
最近では洋式トイレがないと用を足せない人が多いらしい。
背景には、和式トイレの多くがすっかり洋式トイレに取って代わられたという事実がある。
洋式に慣れてしまった人は、 和式はもう使いづらいと敬遠してしまうこともしばしばだろう。
しかし、実は和式トイレにもメリットがある。
それは身体が鍛えられるということ!
いったい体のどの辺りが鍛えられるのか、ユニークな腹筋強化体操を提唱しているウンドープロデューサーのしものまさひろさんに聞いた。
■着物のときは和式がおすすめ
まず、しものさんが実際に和式トイレのために指導したトレーニングを教えてもらった。
「ある時、女性からパーソナルトレーニングの相談を受けました。4カ月後に着物を着る大事なイベントがあり、そのときのトイレが不安だと言うのです。
よくよく話を聞いてみると、着物を着たまま用を足すには、和式がよいらしいのです。
しかし、その方は股関節の硬さと共に痛みがあり、和式で深くしゃがみ込むことができない状況でした。
そこで、週1回のパーソナルトレーニングと自主トレを続けました。
3カ月すると硬さも痛みもなくなって、和式トイレの不安も解消されました」(しものさん)
確かに着物姿のまま洋式トイレで用を足すのはつらそうだ。
洋式にすっかり慣れてしまった体は、和式に必要な柔軟性や筋力を失ってしまっていたのだ。
■足首関節の痛みを取るために、ひらめ筋を柔軟にする
具体的にどのようなトレーニングをしたのか聞いた。
「和式トイレで用を足す際に必要な関節は主に、足関節(足首)・膝関節・股関節です。
この3つの関節が、痛かったり硬かったりするとしゃがむのが困難になるので、まずはこれらへのアプローチをしていきました。
特に、足首と股関節です。
足首は、ふくらはぎの柔軟性が必要になります。
まさに和式トイレで用を足す姿勢は、ひらめ筋がストレッチされた状態で、足首の機能が向上します。
和式トイレで用を足す姿勢をしてみて、かかとが浮いてしまうようですと、ひらめ筋が硬いということになります。
皆さんは、かかとをついたまましゃがみ込めますか?
和式トイレ生活を続けると、足首の硬さが取れますよ」(しものさん)
かかとがついたまましゃがめない人は、ひらめ筋の柔軟を行っておくとよい。
■インナーマッスルまで鍛えられる和式トイレ
しものさんはさらに、股関節と脚力について話してくれた。
「和式トイレと洋式トイレとの大きな違いは、股関節の使われる範囲です。
和式の場合は、股関節を限界ギリギリまで屈曲させなければ用を足せません。
ヒンズースクワットのような、かなり深いところまで腰を落とすことになりますので、股関節は相当頑張らないといけません。
ある程度の脚力も必要になります」(しものさん)
スクワットなんてしばらくやってない、という人も多いだろう。
日常的に和式トイレを使用すると、股関節の柔軟や脚力の向上にも効果があるのだ。
「もう一つ、これは私の見解です。
和式トイレで用を足すということは、体幹力も鍛えられると思います。
しゃがみ込んでいる姿勢は、決して安定した姿勢ではなく、不安定な姿勢です。
もし、バランスを崩して転がってしまったら……。
不安定な姿勢を維持するということは、体幹(コア)トレーニングにもなっているのではないでしょうか。
もっと突っ込んでいうと、大の方をしている時は、自然とお腹の奥(コア)を意識していることになるため、とても効率のよい体幹(コア)トレーニングを行っていることになります」(しものさん)
書籍やフィットネスジムなどでも注力されている体幹、すなわちインナーマッスルが生活習慣の中で鍛えられるとは。
和式トイレ、恐るべし、である。
しものさんの話を聞くと、和式トイレは体を鍛えるという観点からとても好ましいことが分かったわけだが、皆さんはいかがだっただろうか。
今まで和式トイレを敬遠していた人も、これからは積極的に活用してみては。
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