頭痛持つ子どもは胃腸にもトラブル抱えがち
頭痛は大人の病気と思われがちだが、強い痛みが繰り返し起こる片頭痛に悩まされている子どもも少なくないといわれている。
そんな頭痛持ちの子どもたちは、胃腸にもトラブルを抱えていることが多いとする調査結果を、フランスのロベール・ドブレ病院の研究グループが英医学誌「Lancet Gastroenterology & Hepatology」(10月号)に報告した。
片頭痛を持ちの子どもは、検査で異常が見つからないのに胃や腸に不快な症状が現れる「機能性消化管障害」にかかっている割合が高かったという。
32%が機能性消化管障害と診断
研究グループは今回、フランスとイタリアの病院の救急外来を受診した6~17歳の子どものうち、医師から片頭痛と診断された257人と、緊張型頭痛と診断された167人について、機能性消化管障害の有無を調査。
繰り返し起こる頭痛にかかったことがない648人と比較した。
その結果、機能性消化管障害と診断された割合は、頭痛のない子どもが18%だったのに対し、片頭痛と診断された子どもでは32%と多く、中でも胃もたれや胃痛などの症状があるのに検査で異常が見つからない「機能性ディスペプシア」になる危険性は、頭痛のない子どもの10.76倍にも上った。
また、便秘や下痢が続く「過敏性腸症候群」になる危険も3.47倍だったが、検査で異常がないのに便の回数や量が減る「機能性便秘」は、片頭痛がある子どもで66%少なくなっていた。
一方、緊張型頭痛の子どもで機能性消化管障害と診断されたのは25%にとどまり、頭痛のない子どもとの明らかな差は見られなかったという。
研究グループは
「機能性消化管障害も頭痛もごくありふれた病気。診断や治療の際に、今回の研究結果が役に立つ」
と評価。
さらに
「片頭痛の薬が機能性消化管障害に有効かどうかについて、調査する必要があるだろう」
とコメントしている。
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