肩こりはなぜ起こる?
筋肉が緊張 血流悪く
多くの人を悩ませる肩こり。
なぜ肩はこるのか。
防ぐ方法はあるのだろうか。
近畿大医学部講師の橋本和喜さん(整形外科)によると、肩こりとは首や肩などの筋肉が緊張し、硬くなった感じや痛みを感じる状態を指す。
「二足歩行をする人間は、首や肩の筋肉で重い頭を支え腕を動かさなければならず、肩がこりやすい」と説明する。
ただし「こり」は病気ではないので、厳密な定義や診断基準はないという。
悪い姿勢や運動不足が原因
肩こりの原因は姿勢の悪さや運動不足、ストレスなど様々ある。
これらの原因により筋肉の緊張状態が続くと血管が収縮し、血流が悪くなる。
すると血管の中に老廃物がたまり、酸素が十分に運ばれなくなる。
酸欠状態になった筋肉の中ではブラジキニンなどの「発痛物質」が生成され、痛みを感じるようになる。
筋肉はまた緊張し、血管が収縮し――と、「肩こりの悪循環」に陥るという。
肩こりを感じた時、マッサージを受けたりストレッチをしたりすることは、筋肉をほぐし血流を良くするため、悪循環を断つのに一定の効果がある。
「ただし、悪い姿勢や運動不足など、そもそもの原因を取り除くことも大切です」と橋本さん。
一方、腕にしびれを感じる、常に痛みがあるといった場合は病院受診が必要だ。
「首や肩関節の疾患や高血圧など、病気が隠れている場合がある」という。
スマホ操作も助長
肩こりの改善には肩だけでなく、胸の筋肉も伸ばすといいそうだ。
肩こりを深刻化させるのはスマホを操作する姿勢という。
成人の頭は重さ5~6キロで、下を向きスマホをのぞき込む姿勢を取ると、首や肩の筋肉で頭を後方に引っ張り上げることになる。
正面を向いている時の4倍以上の力が、首や肩の筋肉にかかるという。
「体を横から見た時に、耳と肩がまっすぐのラインになるようにする。
頭の重みを背骨で支えることを意識して」と助言する。
また、座っている時の方が、姿勢を保つのが難しいそうだ。
例えば、パソコンを操作する姿勢は前に傾き、猫背になりやすい。
木津さんが企業で働く人約150人に行ったアンケートでは、1日に平均12時間も座っていた。
「デスクワークが多い人は前傾姿勢になりがち。
座る時の姿勢にも気をつけて」と話している。
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