肩こりが招く体の不調
つらい肩こり、仕方のないことと諦めて、我慢していませんか?
筋肉が凝り固まったままでいると、それだけではないさまざまな不調を引き起こしてしまうことがあります。
しっかり原因を突き止めて、ご自身に合った方法で対処していきましょう。
■1:肩こりの主な原因とは
それではまず、肩こりを引き起こす原因をみていきましょう。
何が原因か、はっきりした自覚がある方も多いでしょうが、意外な要因で悪化させている場合もあります。
改めて確認してみてください。
(1)デスクワーク やはり肩こりの原因を多く抱えているのは、肉体労働などよく動き回る仕事より、パソコン等に向かうことが多いデスクワークの方。
勤務中の姿勢に注意したり、適度に休憩を挟んだりするのはもちろんですが、目の使い方にも気をつけましょう。
度数の合っていないメガネやコンタクトレンズは目の疲労を倍増させ、またパソコンやスマートフォンが発するブルーライトも、肩こりの大きな原因とされています。
(2)運動不足
筋肉が固まってしまうことで引き起こされる肩こり。
当然、運動する習慣のない方はなりやすく、また治りにくくなっています。
時間をやりくりしてジョギングをしたり、お風呂上りにストレッチをしたりするのが効果的です。
のちの項目で肩こりに効く肩甲骨のストレッチをご紹介しますので、ご参照ください。
(3) 虫歯、噛み合わせ
意外に思われる肩こりの原因に、虫歯や噛み合わせ不良など、歯のトラブルがあげられます。
噛み合わせは姿勢に影響し、さまざまな体の不調を引き起こします。
また、虫歯を放置していると、無意識に噛み締めてしまったり、食事の際に痛む部分を避け、片側だけで噛む癖がついてしまったり、肩こりの原因となる体の歪みを増幅させる結果になります。
虫歯がある場合は速やかに治療に行き、併せて噛み合わせの相談をしてみましょう。
可能ならば歯列矯正をするのも1つの方法です。
■2:併発する不調・病気
肩こりは、それ自体がつらいばかりでなく、肩以外のさまざまな部分にも不調を及ぼします。
また我慢して放置していると、あなどれない病気の原因となることも。
肩こりの危険性を、しっかり知っておきましょう。
(1) 頭痛
肩や首筋が凝り固まってしまうと、頭部への血流が妨げられ、脳が酸素不足に陥ります。
そのことに危機感を抱いた脳が出す危険信号、それが頭痛です。
肩こりによる偏頭痛は、脳からのSOSなのです。
頭痛薬を飲んで一時的に痛みは和らいでも、根本の原因を改善することにはなりません。
しっかりと体の声を聞き、ストレッチなどで血流を促しましょう。
(2)吐き気、しびれ
頭痛と同じく、肩こりによる血流不良が原因で、吐き気や手足のしびれが起こることがあります。
これらの症状が治らない場合は、注意が必要です。
脳梗塞やくも膜下出血など脳の病気や、メニエール病をはじめとする三半規管の障害である可能性もあります。
ストレッチや休息で改善しない場合は、最寄りの医院を受診することをおすすめします。
(3) 腰痛
多くの方が、肩こりと腰痛を併発させています。
仕事で長時間座っているなどの要因で同時に引き起こされる場合もありますが、凝り固まって動かしにくい肩をかばうことで腰に負担をかけていたり、もちろん逆のパターンも考えられます。
その場合、どちらかではなく両方の改善を目指すことが大切です。
(4)高血圧
凝って固まった筋肉は血管を圧迫し、血圧の上昇を招きます。
ご存知の通り、高血圧は脳、心臓、腎臓などに重大な病気を引き起こす原因となります。
また、肩こりによってストレスが溜まると自律神経が乱れ、これも高血圧の原因になってしまいます。
■3:肩こり予防には何がよい?
放っておくと、危険な病気の原因にもなる肩こり。
しかし、仕事をしながら頻繁に運動をしたり、整体に通うのは楽なことではありません。
ここでは、ちょっとした心がけや、毎日できる簡単な方法で肩こりの予防の仕方をご紹介します。
(1) モデル姿勢を意識する
実は、見た目にも美しいモデルのような姿勢が、もっとも肩こりになりにくい姿勢だそうです。
背筋を伸ばしてあごをひき、左右で肩の高さが均等になるように肩甲骨を寄せてみましょう。
さらに下腹部に力を入れ、肛門を引き締めて立ちます。
鏡の前でぜひ試してみてください。
とても美しい姿勢になっているはずです。
この姿勢が、肩こりを予防してくれるのです。
(2)肩甲骨のストレッチをする
肩甲骨を定期的にほぐしておくことで、肩の筋肉が固まるのを防ぐことができます。
脂肪燃焼や新陳代謝アップの効果もあるストレッチ法をご紹介しますので、ぜひ試してみてください。
簡単ですので、日々続けることが大切です。
1・・・ 肩回し
両肩に指先をそえ、ゆっくりと大きな円を描くように回します。
外側に1周回したら、次は内側に1周。
これを肩甲骨の周辺がじんわり温まるまで、数回繰り返します。
2・・・ 肩甲骨寄せ
両手を後ろに回して背中で手をつなぎ、繋いだ手を後ろにぐっと引っ張ります。
胸を突き出して、前後に引き合うようなイメージです。
3・・・ 肩甲骨開き
今度は逆に、肩甲骨を左右へ開きます。
両手を組み合わせ、前に引っ張ります。
丸めた背中と引き合うように。
肩甲骨寄せと肩甲骨開きは交互に繰り返すと効果的です。
(3)ストレスをためない
ストレス自体が肩こりの原因となり、またストレスによって肩こりは悪化します。
先に述べたように高血圧を引き起こすこともあります。
ストレスを完全に回避することは難しいですが、定期的に心と体を休め、趣味に打ち込んだりスポーツをしたりなど、うまく発散するようにしましょう。
■4:肩こりを感じたら、まず行いたい対策
肩こりの原因は、細かくみれば実にさまざまです。
気づかぬうちに悪化させていることもあるでしょう。
ここでは、肩こりの原因となりうる見落としがちな生活習慣をご紹介します。
(1)どんな枕を使ったらよい?
日中だけでなく、眠っている時まで肩に負担をかけていては、肩こりはどんどん悪化してしまいます。
枕選びにも注意してみましょう。
やわらかすぎたり、かたすぎたり、高すぎたり、低すぎたりしてはいけません。
もっとも快適だと思える固さと高さなど、ご自身に合ったものを選びましょう。
素材は、そばがらやビーズ、高・低反発ウレタンがおすすめです。
肌触りは心地いいですが、羽毛や綿はやわらかすぎるので、肩こりの方には不向きといえます。
(2)荷物のNG持ち方
重い荷物を持って移動することも、肩こりを悪化させる原因です。
なかでも、注意すべきなのはショルダーバッグ。
常に片方に重心が傾き、またベルト部分で肩の血流を妨げてしまいます。
たまにはいつもと反対側の肩にかけたり、荷物が重くなる時はリュックサック、キャリーバッグなどを使用することを検討してください。
いかがでしたか? 肩こりの原因に、心当たりはありましたか? 思わぬ原因で肩こりを悪化させていませんでしたか。
日頃のちょっとした心がけでも、肩こりは予防することができます。
放っておいて深刻な病気になる前に、しっかりとご自身の体の声に耳を傾け、いたわってあげてくださいね。
0コメント